Windows Server 2012 R2 Essentialsを利用してVM上にActive Directoryサーバを構築する。
インストール
準備
VirtualBoxのバージョンは4.3以上にしておくこと!
VirtualBoxの4.2以前ではWindows8系のOSをサポートしていないので、まずアップデートをしておく。
Oracle、最新版となるVirtualBox 4.3をリリース - Windows 8.1をサポート
http://news.mynavi.jp/news/2013/10/16/194/
今回実施した環境は以下の通り。
VMサーバ(物理PC)のOS : Windows 7 Professional SP1(64b)
VirtualBox:4.3.4
VMで立ち上げるOS: Windows Server 2012 R2 Essentials(64bit)
- VitualBoxのマネージャーで「新規」ボタン押下
- 「タイプ」を「Microsoft Windows」、バージョンを「Windows 2012(64bit)」に指定。今回は「名前」を「win2012」とする。
- メモリサイズなどは後で変更できるので適当に
- 仮想ドライブの容量は追加が面倒なので、100Gくらい用意しておく
- インスタンスができるまで適当な値で設定する。
- 完成したインスタンス「win2012」を選択し、「設定」ボタンを押下
- 新しく開いたダイアログから「ストレージ」を選択
- コントローラ:IDEの横にある+CDボタンで.isoを追加する。
- 追加した.isoを選択して「属性」が「IDEプライマリマスタ」であることを確認
- 次に「ネットワーク」を押下する。
- 「アダプター1」の「割り当て」を「NAT」から「ブリッジアダプター」に変更
- 「高度」を押下してセクションを開き、「プロミスキャスモード」を「全て許可」に変更
- (11、12の操作でVMサーバ以外にもアクセスできるようになったはず。)
- 「システム」を押下し、「プロセッサー数」を変更するなど、適宜調整
- 「設定」ダイアログを「OK」押下で閉じる
- win2012サーバを「起動」させる。
以上の手順を踏むことで、VirtualBox上の準備は終了。
Windows Server 2012 essentialsのインストール
下記PDFの手順を参考にOSの初回起動を終える。
http://download.microsoft.com/download/8/0/8/808AC0BA-BA9B-4D65-8F00-E36E0A037D8B/WSE2012_StepByStepGuide_ja.pdf
PDFリンク元
http://www.microsoft.com/ja-jp/server-cloud/windows-server-essentials/technical-documentation.aspx
P26 手順10.の内容を後で変更することは出来ないので注意すること
会社名は問題ないが、内部ドメイン名がADサーバのレルムに、サーバ名がAD上でこのPCのサーバ名になる。
本文書では、「内部ドメイン名:KERBEROS」、「サーバ名:win2012」とする。
以降、Windows Updateなどが選択できるので、PDFに習って実施しておく。
ファイル共有機能を追加する。
あらかじめ、共有用のファイルを作成しておくこと
- サーバマネージャを開く。(これは良く使うので、起動後、タスクバーに出てくるアイコンを右クリックし、「タスクバーにピン留めする」をしておくとラク)
- 左側のアイコン列から「ファイルサービスと記憶域サービス」を押下
- アイコン列の隣に出現する列から共有を押下
- 共有されているファイル一覧表示される
- 一覧の既存のファイルが無い部分で右クリックを押下するとメニューが出てくるので、「新しい共有...」を押下する。
- 登録画面に習って追加共有フォルダを追加する。(今回はshare)
グループポリシーを変更する。
- サーバマネージャを開く。(これは良く使うので、起動後、タスクバーに出てくるアイコンを右クリックし、「タスクバーにピン留めする」をしておくとラク)
- 右上の「ツール」を押下し、「グループポリシーの管理」を押下する。
- マネージャが開く
- 左列のツリーを展開すると「KERBEROS.LOCAL」以下に「Default Group Polycy」が設定されている。
- 「KERBEROS.LOCAL」を右クリックし、「このドメインにGPOを作成し、このコンテナーにリンクする」を押下
- 新しいGPOへのリンクが追加される。(ここではtestPolicyという名前で作成)
- 「Default Group Polycy」を右クリックし、「リンクの有効化」のチェックを無効にする。
- 「testPolicy」を右クリックし、「リンクの有効化」をチェック、さらに編集を押下
- 「グループポリシー管理エディター」が起動する
- 「コンピューターの構成」→「ポリシー」→「Widnowsの設定」→「セキュリティの設定」→「アカウントの設定」を確認する
- 各種設定が未定義状態なので、設定しておく。
主に設定すべき項目と今回構築した設定は以下の通り。
- パスワードの設定
- パスワードの長さ:4
- パスワードの変更禁止期間:0(無期限)
- パスワードの有効期間:900
- パスワードの履歴を記録する:0(無記録)
- 暗号化を元に戻れる状態でパスワードを保存する:無効
- 複雑さの要件を満たす必要があるパスワード:無効
- アカウントの設定
- Kerberosの設定
- コンピューターの時計の同期の最長トレランス:30分
- サービスチケットの最長有効期間:60分
- チケットの最長有効期間:1時間
- ユーザーチケットを更新できる最長有効期間:34日
- ユーザーログオンの制限を強制する:無効
なお、全ての項目でダブルクリックを押下すると新規ダイアログが現れる。
新規ダイアログには「セキュリティーポリシーの設定」タブと「説明」タブがあるので、各種項目が意味する内容の詳細は「説明」タブの内容を参照のこと。
ADユーザーを追加する。
- サーバマネージャを開く。
- 右上の「ツール」を押下し、「Active Directory ユーザーとコンピューター」を押下する。
- 新しいダイアログが開き、ADサーバのマネージャが起動する(これも良く使うので、起動後、タスクバーに出てくるアイコンを右クリックし、「タスクバーにピン留めする」をしておくとラク)
- 左列からKERBEROS.LOCAL→Usersを選択する。
- Essentialsが追加したユーザーが見えるはず。
- 右上にある新規ユーザー追加ボタンより、新たなユーザーを行う。(今回はuser01)
確認
Linuxからマウントを試みる。あらかじめwin2012上でipconfigを行ってIPを確認しておくこと。(今回win2012サーバーのIPは123.123.123.10とする)
LINUXCLIENT:~/tmp>cat /etc/hosts # File: hosts # Dynamically created by nicConfig - do not modify. # Original moved to hosts_last # IP-Address Full-Qualified-Hostname Short-Hostname 127.0.0.1 localhost 127.0.0.2 linux.local linux 123.123.123.20 LINUXCLIENT LINUXCLIENT LINUXCLIENT:~/tmp>cat /etc/krb5.conf [libdefaults] default_realm = KERBEROS.LOCAL dns_lookup_realm = true dns_lookup_kdc = true ticket_lifetime = 24h renew_lifetime = 7d forwardable = true [realms] KERBEROS.LOCAL = { kdc = win2012.kerberos.local admin_server = win2012.kerberos.local default_domain = kerberos.local kdc = win2012 } [domain_realm] .kerberos.local = KERBEROS.LOCAL kerberos.local = KERBEROS.LOCAL LINUXCLIENT:~/tmp>ls jmdb_ext.txt krb5-client-1.9.1-24.9.1.x86_64.rpm share LINUXCLIENT:~/tmp>kinit user01@KERBEROS.LOCAL Password for user01@KERBEROS.LOCAL: LINUXCLIENT:~/tmp>klist Ticket cache: FILE:/tmp/krb5cc_0 Default principal: user01@KERBEROS.LOCAL Valid starting Expires Service principal 12/17/13 22:42:23 12/17/13 23:42:32 krbtgt/KERBEROS.LOCAL@KERBEROS.LOCAL renew until 12/24/13 22:42:23 LINUXCLIENT:~/tmp>mount.cifs //win2012/secondShare ./share -o sec=krb5i LINUXCLIENT:~/tmp>ls share/ existFileInDir2.txt list mountSuccess2.txt LINUXCLIENT:~/tmp>kdestroy LINUXCLIENT:~/tmp>umount share/ LINUXCLIENT:~/tmp>ls share/ LINUXCLIENT:~/tmp>
参考
Windows Server 2012 Essentials テクニカル ドキュメント
http://www.microsoft.com/ja-jp/server-cloud/windows-server-essentials/technical-documentation.aspx
Active Directoryを設定し、検証環境を構築しよう (1/3)
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1301/16/news011.html
Hyper-V over SMB の展開
http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/jj134187.aspx
Active Directory ドメインユーザーのアカウントポリシー (1/3)
http://www.edifist.co.jp/onepoint/Password_policy.html