PM試験午後II対策
注意事項
この記事はプロジェクトマネジメントスキルを身につける記事ではありません。
春に行われるPM試験に対する試験対策です。
PM試験の午後IIはひたすら知識・用語の学習と、論述の練習をするしかありません。
今回は可能な限り事前に準備できるものを挙げることで、対策とさせていただきます。
PM試験午後IIの試験方式
PM試験午後IIは120分間です。
3テーマの中から業務経験を踏まえて小論文(2400字以上4000字以下)を記述します。
A-Dの4ランクで採点され、Aランクのみ合格となります。
なお、他の試験に漏れず、午後Iが合格点に達していない場合は採点すらされません。
試験に必要なもの
午後II試験に臨む際に必要なものは以下の通りです。
解説
まず、上記必要なものについての解説から行っていきます。
午後IIはワープロを使えない論述試験であることを強く意識してください。
腱鞘炎にならない手?
1度時間を計って過去問を解いてみてください。 言っている意味がわかります。
PM試験午後IIは120分で最低でも2400字以上を書く必要があります。
合格基準や、章構成や箇条書き、図や表を使うことを考慮すると、記述用紙の参考文字数で、3000字ラインまで記述したほうが無難です。
仮に2400字でも単純計算で分速20文字の記述速度を維持する必要があります。文章構成を考えたり、問題テーマを読む時間を引けば、それ以上の記述速度が必要です。
(後述の準備をすることで600字は貯金しておきます。)
IT会社に勤める受験者にとってこの記述速度が大敵になります。
「内容がよければ平気だろ」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、採点者は人間です。
当然採点者は何十人の採点を受け持っているでしょう。
読む気にならない汚い字や、漢字の間違いはそれだけで減点、採点者の心証を悪くし、最悪ろくに読まれずD判定になる可能性があります。
なぜ筆記用具が二種類必要なのか?
ワープロソフトなどでいうBold機能を濃い筆記用具で代用します。
繰り返しになりますが、午後IIは人間が記述し、人間が精読し合否が決定する試験です。
午後IIは字数以外の制限はありません。
図や表の記載も可能です。
可読性を少しでもあげるため、章立ての間に空行を置いたり、箇条書きなどで工夫します。
そこに加えて、筆記用具を替えることで太字を活用します。
使い方は普段Wordなどで太字にする箇所を濃い目の筆記用具で書くだけです。
論文構成がパっと見でわかるようにセクション名などは濃い筆記用具で記載します。
#重要な語句や結論を太字にすることも可能ですが、それはさすがにいやらしいかも。。。
プロジェクトの概要について・注意点
午後IIではどの問題テーマでも、必ず設問アで「論述の対象となるプロジェクトとしての特徴と論述するテーマに関わるファクターの説明」を800字以内で記述します。
そのため「プロジェクトとしての特徴」を事前準備しておけば、500字程度は問題に関わらず記述することができます。
これでいくらか時間を貯金することが可能です。
注意点1:PMとしてアサインされた(とする)プロジェクトの特徴を準備する
ここで書くプロジェクトは実体験である必要はありません。
筋が通っていれば、架空のプロジェクトでもかまわないのです。
組み込み開発従事者で特に注意したいのはMLやTLはPMではありません。
モジュールリーダーやチームリーダーはプロジェクトマネージャではありません。
プロジェクトマネージャとしての経験を問われるのが午後IIです。
モジュールリーダーに日程調整・機能調整の権限はありますか?
チームリーダーに予算折衝・アサインメンバ変更の権限はありますか?
上記リーダーの上にはPMや上司が存在します。
プロジェクトの管理権限が不十分なため、論述中に矛盾が生じたり、
根本的に「PMとしての立場の記述ではなくプロジェクトメンバの記述」とみなされると、採点の前に失格です。
注意点2:一般的なプロジェクトの特徴を準備する
Webアプリや商用ソフト、社内システム開発などのプロジェクトのPM経験を捏造しておいたほうが汎用性があります。
組み込みシステム開発プロジェクトでは選択できる問題テーマが絞られる可能性があります。
組み込みシステム開発プロジェクトでも、リスクマネジメントや品質マネジメントなどの問題は対応できます。
しかし、調達マネジメントや、コストマネジメント系の設問に対応するのは難しいです。
例をあげると、H21年度の午後II-問3は
「業務パッケージを採用した情報システム開発プロジェクトについて」
という設問でした。
組み込みシステム開発の場合、このような設問を選択肢にするのは難しいと思われます。
また、一般的なプロジェクトオーナーを「設定」するために、無理やり別会社から依頼された外注プロジェクトにしたりする必要もあります。
つまり、3問中1問選べるはずが、2問の中からしか選べないor準備したプロジェクトの特徴を捨て、別のプロジェクトの特徴をその場で書くことになってしまいます。
最後に 求められている解答を書く
午後IIは成功体験を記述する試験ではありません。
設問されたことに正しく解答する試験です。
「~が失敗したときにした対策を~」という設問の場合は失敗(したことに)した経験を解答します。
例を挙げると以下のような問題です。
H22年度 PM午後II 問3 システム開発プロジェクトにおける進捗管理について
設問ウ
設問イで述べた対策にもかかわらず進捗が遅れた原因と影響の分析、追加で実施した対策と結果について具体的に述べよ。
このような設問の場合は必ず以下のように経験を捏造してください。
ここで求められる解答は
「対策が万全で進捗に影響はなかった。」
「事前対策が十分だったので追加対策は不要だった。」
「私はプロジェクトマネジメントスキルがあるので、そんなヘマしたことがありません」
ではないことを注意してください。
以上のほかは一般的な試験対策などをしておけば十分合格は可能なはず…です。
参考文献
ポケットスタディ プロジェクトマネージャ
情報処理教科書 プロジェクトマネージャ
マルオのプロジェクトマネージャ合格対策
http://maruopm.web.fc2.com/pm_prep.html