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ソフトウェアエンジニア向けTips。Qiitaにもメモ

PM試験午後I対策


注意事項


この記事はプロジェクトマネジメントスキルを身につける記事ではありません。
春に行われるPM試験に対する試験対策です。
PM試験の午後Iは過去問題の学習により、IPAが求めるPM人材像を学習します。


PM試験午後Iの試験方式


PM試験午後Iは90分間です。
4テーマの中から2テーマを選択します。(各テーマ50点)
100点満点中60点以上で合格になります。
ただし、午前IIが合格点に達していない場合は採点すらされません。
午後問題からは記述・論述回答が必要になるので、
正確な自己採点ができないのも特徴です。
最低でも午前IIをパスして午後Iを採点してもらわないと、
次の試験に向けた自分のスキルレベルを測ることができません。
(午前問題は選択問題なので、模範解答なのでどうにでもなる。)


試験に必要なテクニック


午後I試験に臨む際に必要なテクニックは以下の通りです。

  • 短時間で設問プロジェクトの概要と問題を理解する
  • プロジェクト説明から問題回答に関連する記述をピックアップ
  • 回答候補(発生した状況、リスク・問題・目標、とるべき対応・対策)をイメージする
  • 過去問題から「模範となる対策・原因分析」を学習しておく
  • 文字制限に合った回答を作成する国語力
  • しっかり全問解答できる時間管理

  • 短時間でプロジェクトの概要と問題を理解する

    まず最初の10分程度で、解答するテーマを選択する必要があります。
    そのためには4テーマのプロジェクトの概要と問題を理解し、 自分の得意分野かどうか、解答できる問題の多さを把握することが大事です。


    プロジェクト説明から問題回答に関連する記述をピックアップ

    解答する2テーマを絞ったあとは、プロジェクト概要を読み込みます。
    プロジェクト概要を熟読する時間はありません。
    そのため、問題文を先によみ、問われる内容・解答をイメージ、
    概要の中から問題の解答のヒントになる部分を抽出していきます。
    具体的には以下のようにして、解答記述の際に再読の必要がないようにしておきます。

  • 会社・プロジェクトチームの関係図などを余白に図示しておく
  • プロジェクト概要内の人物・会社名などは「請負元のA社」「PMのF課長」など、
    一度読んだ後でもなかなか相関関係がイメージしづらい名前になっています。
    そこで、少しでも解答をひねり出す時間を稼ぐため、人物・会社体制図を余白に図示しておきます。

  • 臭う記述は下線を引いておく
  • 概要には「?」となるような箇所がいくつか記述されています。
    それら大半は問題の発生原因となる行動・対処、つまり解答のヒントになる部分です。
    具体的には  ・否定的な表現(例:ユーザー部署がシステム導入に難色を示している)
     ・解答を限定するような注釈(例:ただしB社に人的余裕はなく、要員追加はできない)
     ・不自然な表現(例:機能仕様の不明点については後工程で調整していく。)

  • 離れた記述の中に関連がある場合は矢印で結んでおく

  • 上記のような体制・ヒントは概要のあちこちにちりばめられており、いざ解答するときになると、
    再読して解答根拠を探すはめにもなります。
    そのため、「○○社員の行動を線で結んでおく」
    「○○の行動要因となった事象を線で結んでおく」などをしておくことで、解答の際の再読頻度を下げておきます。


    回答候補(発生した状況、リスク・問題・目標、とるべき対応・対策)をイメージする

    問題の解答の大半は「状況」「問題・リスク」「対応・対策」のいずれかを求められます。
    たとえば以下のように、一部の情報が概要に記載してあり、伏せられた部分の解答を求められるような問題となります。
    そのため、抜け落ちている情報を解答するイメージで問題文からヒントとなる部分を抽出・結びつけておくと、解答を考える時間も短縮できます。
    例:
     ・発生した状況(請負先各社で共通の構成管理がもっていなかった)
     ・問題、リスク(問題:今回のプロジェクトで対策が必要となった原因は何か。
     ・対応・対策(PMのD課長は請負先各社横断の構成管理サーバを構築し、その週の結合テストは月曜時点の最新版リビジョンで実施することとした)


    過去問題から「模範となる対策・原因分析」を学習しておく

    どのような試験でもそうですが、解答の傾向を知ることが一番の近道となります。
    現実的にはプロジェクトで発生した問題には多種多様な解決策が存在します。

    例: 本社とシステム利用部門でプロジェクトに対する利害関係が対立し、プロジェクトの成果目標が定まらない。
     ・ 双方の合意が取れない限りプロジェクトを進めないという厳格な態度で臨む
     ・ 担当上司たちの懇親会を設定し、部署間の溝を埋めたり、味方となるステークホルダーを得る。
     ・ プロジェクトオーナーである社長からトップダウンの指示を得る
     ・ 各部門に赴きそれぞれのメリットデメリットを徹底的に議論し、早急に妥協点を探る

    このような問題が発生した場合、選択すべき解答は太字の最後の対応になります。
    これは過去問模範解答から得られるIPAがPMに求める対応です。
    実際に発生した際の最善策を考えるよりも、あくまで、PM人材に求められる理想解答を選択する必要があります。


    文字制限に合った回答を作成する国語力

    午後Iは記述問題であり、10文字で解答する場合や、30文字で解答を行う必要があります。
    内容的に採点者の認識と一致していても、文字制限の8割程度を解答するほうが無難です。
    そのため、同じ意図の解答でも、以下のようにある程度字数を調整します。
     ・設計工程は最初からやり直しとならないため(20文字)
     ・設計工程の手戻りは最初からやり直しとならない場合が多いため(29文字)


    しっかり全問解答できる時間管理

    こちらも全ての試験に共通することですが、論述試験では配点満点の解答を一つ考えるよりも、
    8割程度を狙えるような解答で全ての問題に対して解答しておく必要があります。
    場合によっては記述の一問をあきらめて、確実に取れるであろう選択問題を埋めていくというような取捨選択が重要です。


    午後問題の出題分野


    PM試験午後も傾向があり、頻出分野と比較的出題されない分野があります。
    4テーマの中から2テーマを選べばいいわけですし、ある程度学習分野を絞って
    限られた時間の中でより得点を取れる可能性をあげていく必要があります。
    下記の表のように平成14年度-22年度の過去問題を見るに「品質管理」「人的資源計画」「統合変更管理」は優先的に学習しておく必要があります。

    大分類 小分類 出題頻度
    プロジェクト統合マネジメント プロジェクト実行~終結
    統合変更管理 ■■■
    プロジェクトタイムマネジメント スケジュールコントロール ■■■
    プロジェクトコストマネジメント コストの見積もり・予算化
    コントロール ■■■
    プロジェクト品質マネジメント 品質管理 ■■■
    プロジェクト人的資源マネジメント 人的資源計画 ■■■
    プロジェクチームの編成~育成■
    プロジェクトチームのマネジメント
    プロジェクトコミュニケーションマネジメント コミュニケーション計画~実績報告
    ステークホルダーマネジメント
    プロジェクト調達マネジメント 購入・取得計画~納品者選定 ■■
    契約管理~終結
    契約の形態とリスク ■■

    最後に


    午後の問題からは特に時間との勝負になります。
    過去問を解く際に大切なのは、「時間内に解けたか」です。 時間が限定されると得意分野でも読み落としがあったり、解答のひねり出し時間が足りなくなってきます。 かならず過去問を解く際は本番と同じように、ストップウォッチなどで、時間管理をしながら臨みましょう。

    参考文献

    ポケットスタディ プロジェクトマネージャ

    情報処理教科書 プロジェクトマネージャ